一日一冊、本を食う

長年の積ん読本を読み切るブログ

【004】桜木健古『自分をもっと大きくする本』1990年

一、マトの一点を定めたら、レンズをぜったいに、少しでも動かしてはならない。
二、発火という目的をたっするまで、これをつづけなければならない。(p.4)

一方だけがひどく秀で、他方がいちじるしく劣るというのは、精神的な奇形(p.23)

  • 何ごとにもすぐに熱中するのだが、飽きっぽくて、すぐに他の対象に移ってしまう
  • 根気はなかなかいいのだが、打ち込む度合い、情熱のはげしさに欠ける(p.24)

囲碁や将棋のプロ棋士が「長考」をする
「深いから、長い」(p.24)

「一流」の境地とはすべてそういうもの
根が一つであるゆえに、打ちこむ深さと、持続させる長さとが、自然に調和し、バランスをとりあう(p.25)

「つづける」ことの偉大さよ!
根気、意志力、忍耐力、自己支配力……といった、数多くの人間的な才能が統合されて、発露したもの(p.28)

ある修養団体が主催する四国八十八カ寺遍路の旅
宿で同室だった八十四歳のおじいさん。
般若心経の写経
毎朝四時に起き、四十分ぐらいかかって一巻を写す。
旅に出るときも、筆、硯などの筆記具を持参して、「一日一巻」をかならず果たす。○日分書をきためておいて、ということは、ぜったいにしないそうである。一日の始まりの行(ぎょう)としてこそ、意義があるからだそうで、その遍路の旅のときも、朝の三時ごろに起き、別室で一人で書いておられた。(p.29)
子孫に遺すべき、とくべつのものをもたない自分は、せめてこの三十冊を……」(p.30)

「健康は自分で管理すべきもの。医師や薬の世話になるのは恥ずべきこと」(p.30)
「老人医療費の無料化、なんていってますけどネ、私にいわせりゃ、“笑わせるない!”ですよ。だって、私はこの歳まで、安全に無料でやってきたんだから」
医者にかからないのだから、これ以上はっきりした“無料”はない。社会福祉以前の、独立自尊の精神による“無料化”なのであるから。

本人に確固不抜の信念があり、かつ、これをどこまでも貫きとおす意志力と自己支配力があったればこその、偉業であるに違いないのだ。天分と努力の合作による、大業というわけである。
「はじめに信念ありき」なのであり、その“はじめ”を持続させる根気こそが、このバケモノ級の健康体を作りあげたのである。(p.31)

「一生一事一貫」(p.33)
「一事十年」(p.34)

「あんたは決して金持になれっこないよ。人助けに金をつぎこんじまうんだから。金持になろうと思ったらね、少なくとも十年間、誰にも何もやっちゃいけない、簡単に言やあ、豚になってるんだね」
「十年間ね、で、そのあとは」
「そうすりゃもう、豚でいることに慣れちまうよ」
(三浦靱郎訳編『ユダヤ笑話集』社会思想社)

新編ユダヤ笑話集 (1978年) (現代教養文庫)

新編ユダヤ笑話集 (1978年) (現代教養文庫)

浄土真宗の僧で仏教学者でもあった村上専精(せんじょう)博士はその晩年に、「およそ一事を成すのに二十年はかかると、まえまえから思っていたが、一心こめて三十年をかけるのでないと、一事も成就するものではないことが、このごろになってわかってきた」と語ったそうだ。(p.37)

日本の古い道歌(教訓の歌)
  怠らずゆかば千里の外も見ん
     牛の歩みのよし遅くとも
  小石をばのけてそろそろはびこりて
     木の根はついに岩を割るなり(p.37)

カタルムリそろそろ登れ富士の山

急ぐ心と根気とは水と油のように相容れないもの
「急がないからこそ、つづく」(p.38)