一日一冊、本を食う

長年の積ん読本を読み切るブログ

【026】茂木健一郎『人づきあいの流儀』2012年

もともと私たちの脳には、次に起こることがあらかじめ分かっている確実性と、次に何が起こるか分からないことに対処する不確実性の両方の要素があります。確実性と不確実性のバランスによって、脳は正常な状態を保つことができるのです。確実性だけでは成長しません。不確実性だけでは変化に対応することはできても安定性に欠けます。つまり、お互いにないものを持っていて、お互いがお互いを補い合うことで、うまくバランスをとることができるのです。(p.3f.)


本来は両方を持つべきなのに、今の日本人は片方しか持ち合わせていない。不確実性が日本を覆い、閉塞感にあえいでいます。それが、21世紀の日本です。


その確実性とは「人づきあい」なのです。(p.4)


人付き合いとは、人脈やコミュニケーション術を言うのではありません。人づきあいとは、「生き方」そのものです。どんな人と出会い、どんな人とつきあい、将来、自分はどんな人間になって、どんな人たちと仕事をしたり生活しているのか。それは、人づきあいに如実に表れます。
不確実なときに助けてくれたり手を差し伸べてくれる人がどれだけいるか。それは、その人の「人づきあい」が充実しているかどうかにかかっています。(p.4f.)

『ブラック・スワン』
基本的に「人間は未来を予想できない」ということが書かれた本(p.16)

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質

ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質

レバノンという地は今では紛争の絶えない土地になってしまいましたが、もともとは長い歴史の間、イスラム教徒もキリスト教徒も、比較的平和的に共存してきた土地だったのです。ところが、そのいつまでも続くかのように思われた友好的な環境は、20世紀に入り大きく変わりました。特にレバノン戦争以降は、それまで異文化、異教徒の間で保ってきた平和的な文化的伝統が潰えてしまったのです。(p.17)

1987年のいわゆる「ブラックマンデー」
もう何十年もその地で銀行マンたちを乗せて、街の空気を敏感に感じ取ってきたはずのタクシーの運転手たちでさえです。(p.18)

私たちはそうした「起こるかもしれないこと」に準備することはできても、「まさか起こるはずがない」と思って生きているのです。それも当然のことです。万が一のことを気にしたり恐れていては、日々の生活を営むことはできません。(p.20)