一日一冊、本を食う

長年の積ん読本を読み切るブログ

【032】野田香里『ニューヨークで夢がかなう』1994年

ニューヨークで夢がかなう (扶桑社文庫)

ニューヨークで夢がかなう (扶桑社文庫)

もう薄くなりかけたブルーの空
夕暮れの西日はだんだん茜色に濃くなって空を染め、その茜色は、しだいに紺色にすっぽり包まれてしまっていた
がらんとした広い空港を包む暮れなずむ濃紺の空気
紺色から、しだいに闇になっていく、ガラス窓の外(p.11f.)

肩まで無造作に下ろした髪が、風に吹かれていくのを、黙って感じている。(p.11f.)

思い立つと、すぐ行動に移さなければ気がすまないのが、わたしのたちである。(p.12)

東京の金融市場がクローズする時間に、ロンドン市場がオープンしている。
「ロンドンからの電話なら、内容がだいたい予測できるんだよ。それほど難しい英語でもないはずだ」
車内では、帰国子女のきれいな発音が、わたしの耳に目立っていた。(p.20)

面接で「YES」と叫んだあの嘘が、少しずつホントになっていくのを、わくわくと、身体のなかに感じていた。(p.21)

ファイトだけあるわたしが目指せるのは、やはり自分の力でなんとかなりそうな、留学なのであった。
それにしても、この「自分の力」というのが、振り子のわたしには、なんとも厄介な、いちばん頼りないものではなかったか。(p.26)