一日一冊、本を食う

長年の積ん読本を読み切るブログ

【042】砂川しげひさ『がんばれクラシック』1993年

(ニガイ丸薬を飲みそこねて、つい歯で噛んでしまったときのような、顔面神経総動員の渋面)(p.4)

「ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の第十四番嬰ハ短調は、なんたってブダペストSQが最高やなあ」とか、「夫婦生活のノルマが落ちたときは、モーツァルトの『グラン・パルティータ』の第三楽章のアダージョを聴くと効くよ」とか(p.4)

罪状持ちの人間(p.5)

普門館 - Wikipedia

知性病気、つまり知性病は、一途のところがあって、精神高揚の持続なのです。
クラシック音楽の作曲家、たとえばベートーヴェンやワーグナーらは、みんなこの知性病の患者なのです。…
病気の作曲家が作った病気持ち音楽を、知的な聴衆がマジに聴くところが大事なポイントです。(p.20)

パーティの二次会は決まって、銀座のバーへ流れる。ぼくも急流に浮いた木片みたいに、引っぱられていく。(p.21)

「こいつ、クラシック・ファンでね」(p.21)

先輩のサトウ・サンペイさん
「漫画家は流行に向けてアンテナを張っていなくてはいけない」
「デパートへいくのがいちばん、あそこは流行のたまり場や」(p.23)

たとえば若い女性の胸の開放部が、色鮮やかなフリルでワクどりされていたとしても、問題とするのは、やはり中の素顔のお肉(肢体)であり、化粧したお肉(顔)である。(p.23)

銀座のバー
水割りのグラスにつく水滴ばかり見ていた。
ホステスさんたちの顔がまぶしくて正視できないのだ。(p.24)

銀座の街
「十字屋」「山野楽器」「ヤマハ」
ソニー・ビルの裏にある「らんぶる」という音楽喫茶(p.25)

CD
採光のかげんでデモーニッシュに光るエレクトロニクスのおばけ。(p.25)

いい気持ちになって帰宅すると数日後に請求書が届く。
「なんや、ワリカンやったんか」(p.26)

四丁目三越前あたりのハンバーガー売り場から放出するニャンニャン・ミュージックなんとかならんのかいな。(p.26)

(どこが格調高いといわれると困りますが、ぼくのは破調子が高いという意味で使っておりますノデ)(p.29)

「クラシック・ファン」になるための7つの条件
④音楽史に通暁している。
⑦音楽を職業にしていない。(p.29f.)

なんたってクラシック―ぼくの一方的音楽宣言 (朝日文庫)

なんたってクラシック―ぼくの一方的音楽宣言 (朝日文庫)

作詞家のなかにし礼さん
電話の向こうで、水割りの氷がグラスに当たって「カラン」という音がきこえます。礼さんはこの時間帯(午後十一時頃)は、地酒の水割りを飲みながら、サティを聴く習慣があるらしいのです。このときは、電話からサティはきこえませんでしたが、そのかわり、「カラン」という水割りの音が無気味にきこえるのでした。
「モーツァルトの血液型ね、キミはB型と推理しているけどね、ぼくはA型だと思うよ。彼はりっぱな曲を書いたけど、新しいことは何もやってないよ。アレはA型だよ」…
この論争は決着がつきませんでした。無理ないと思います。なかにしさん自身がA型ですし、ぼくはB型ですから。(p.31f.)